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痴漢(ちかん)|罪名ガイドQ&A

痴漢(ちかん)

痴漢(ちかん)というのは、どのような罪になりますか?

一般的には下着の中に手を入れた場合が強制わいせつ、入れなかった場合が迷惑防止条例違反とされています。

強制わいせつと迷惑防止条例違反の違いは、下着の中に手を入れたかという態様の違いだけでしょうか?

強制わいせつ罪の場合は親告罪といって、告訴がなければ起訴をして裁判をすることはできません。しかし、迷惑防止条例違反は非親告罪であるため告訴がなくても裁判をすることができます。もっとも強制わいせつで逮捕・勾留されていても、告訴がすでになされているとは限りません。告訴は起訴までに必ずされている必要はありますが、強制わいせつで逮捕・勾留されたものの告訴が起訴直前までなされなかったケースもあります。

どんな行為が痴漢になりますか?

痴漢となる具体的な行為には、衣服や下着の上、あるいは身体に直接触れて、手で下半身や尻、胸、ふともも等を撫で回す行為。
背後から密着して、身体や股間を執拗に押し付ける行為。
衣服のボタンやブラジャーのホックなどをはずす行為。
エスカレーターや階段などの場所で、スカート内をカメラやビデオで盗撮しようとする行為。
などが強制わいせつ罪や迷惑防止条例違反に該当します。

痴漢行為が条例違反、強制わいせつ以外の罪になることはありますか?

スカートなどの衣服を切り裂く行為は、器物損壊罪。
衣服に精液等を付着させる行為は、器物損壊罪。
公衆の面前で陰部等を露出する行為は、公然わいせつ罪。
つきまとい、のぞき行為は、軽犯罪法違反に該当します。

電車を降りたところで、女性に「痴漢したでしょ」と言われて腕をつかまれました。駆けつけた駅員に駅事務室に一緒に行くよう促されましたが、この場合、行った方がよいのですか、それとも、振りほどいて立ち去った方がよいのでしょうか?

駅事務室に同行したら身柄を拘束される可能性が高くなります。
駅事務室に行くと、女性とは隔離され、話し合うことはできませんし、駅事務員が事情を聞いてくれることもありません。間もなくやってきた警察官に最寄りの警察署に連れて行かれることになります。弁解の余地も無いまま痴漢の犯人として扱われてしまうのが通常で、既に被害女性によって現行犯逮捕されていたのだと告げられそのまま警察署に身柄拘束される場合が多いでしょう。
痴漢を疑われた場合にはホームから動いてはいけません。弁護士を呼びホームに駆けつけてもらうのがよいでしょう。弁護士を呼ぶのが困難であっても、ホームで、駅員、被害者に対して氏名、住所を明らかにしたうえで立ち去ります。身元を明らかにせずに逃げ出せば、被害者や駅員以外の第三者に捕まえられてしまうことも多いでしょうし、逃亡を図ったとして後々悪い情状として影響を及ぼすこともあります。
警察官が駆けつけていた場合にも、同じく氏名、住所を明らかにしたうえで、罪証隠滅や逃亡の恐れがないことを述べ、立ち去るべきです。ただし、警察官に対して抵抗すれば公務執行妨害で現行犯逮捕されてしますので、あくまでも紳士的に振舞いましょう。
立ち去った後では、警察は、令状請求をしなくては逮捕できなくなります。

逮捕されてしまった後はどうすればいいですか?

今後の対策を検討するために、なるべく早く弁護士を呼んだ方がいいです。
罪を認めれば釈放される可能性もありますが、被害者との間で示談が成立しないと刑事処分が下されます。
否認し続ければほぼ確実に勾留及び勾留延長がされます。逮捕から3日間+勾留10日間+勾留延長10日間で合計23日間は身柄拘束されてしまいます。
本当は、痴漢をしていない場合であっても会社や学校を休みたくないがためにやってもいない罪を認める人が多いのはこのためです。

痴漢で逮捕されましたが、身に覚えのない冤罪事件です。どうしたら良いのでしょうか?

前述のとおり、冤罪主張をすると逮捕から23日間にわたって身柄拘束されることが予想されます。否認し続けていれば保釈も認められにくい可能性があります。長期間の勾留によって退学・解雇となる場合もありますので、個々の事件毎に弁護士のアドバイスの下、冤罪として徹底的に戦うのか、他の利益のために認めるのか検討する必要があります。

捜査の流れはどのようになっていますか?

被疑者の手指に被害者の下着等の繊維が付着していないか、繊維鑑定を行います。また、現場に残された凶器や犯行に使われた車両などから指紋や足跡が残っているかどうかについても調べます。被害者の衣服に唾液などの体液やもみ合った際の犯人の血液が残っているかどうかなどについても調べます。被疑者が逮捕された後はDNAの採取がなされ、DNAの型が一致するという鑑定結果が証拠として裁判に提出されます。場合によっては、普段アダルトビデオを鑑賞していて犯行を思いついたなどの動機が調書に録取され、これを裏付けるために自宅を捜索してわいせつDVDや雑誌が押収されることもあります。

携帯電話を押収されました。携帯電話は関係ないはずなのですが、どうしてでしょうか?

性犯罪では余罪の有無を追及するために、携帯電話に盗撮画像が映っていないかを確認することが行われるようです。

事件を起こした本人が示談交渉をする場合と、弁護士がする場合で何か違いはありますか?

まず、被疑者と被害者に面識のない場合、担当検事に問い合わせて被害者の連絡先を教えてもらうことになりますが、弁護士に対してしか教えてくれません。
また、面識がある場合や、偶然被害者情報を知ることが出来た場合であっても、被害者は加害者や加害者の家族と会うことを嫌がることがほとんどです。よって、示談交渉まで持ち込むことが困難といえるでしょう。仮に、加害者と被害者の間で示談交渉を持つことができても、双方が感情的になりかえって揉めてしまうことにもなりかねません。
その点、弁護士に対してであれば示談交渉に応じてくれる被害者も多く、冷静な話し合いを持つことができます。また、示談の際には金銭を支払いますが、相手方が将来これ以上の要求をしないように、示談書において明記します。また、宥恕といって被害者が加害者を許す旨の一文を書いてもらうと、処分が軽くなる可能性が高まります。この点からも弁護士に依頼することは大いに意味があるといえます。

痴漢事件で弁護士に依頼した場合、弁護活動としてはどのようなことをしてもらえますか?

まず、身柄が拘束されている場合には、被疑者との接見を行います。特に逮捕後48時間は弁護士以外が接見を行うことが出来ないため、被疑者に法的アドバイスを行い、被疑者と家族との連絡窓口となります。
また、警察や検察に連絡をとって、事件の詳細について情報収集をすると共に、こちらの事情も説明します。勾留前であれば勾留しないよう交渉し、勾留されていても延長されないよう意見書などを添えて交渉します。
さらに、被害者の情報を教えてもらい、被害者に対し謝意を伝え示談交渉に努めます。
示談が成立した場合には示談書を添え、出来るだけ軽い処分で済むように、または刑事処分が下されずに済むように、検察官に対して意見書を提出します。

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